陸修会ホームページ 設立総会

「陸上自衛隊幹部退官者の会(陸自RO会)」設立趣意書

 
 警察予備隊創設から約70年、そして東西冷戦が終焉して約30年が経過した。この間、陸上自衛隊は、我が国の平和と独立を守り抜くため日々練磨に励むととともに、その当時の我が国を取り巻く国内外の防衛環境に的確な対応をし、我が国の防衛に大きな役割を果たしてきた。

陸修会ホームページ 設立趣意書
画像出典:陸上自衛隊ホームページ )
 

 そして、現下の我が国の防衛を取り巻く環境は、中国、北朝鮮、ロシアなどの周辺諸国の情勢やいつ発生するか予断を許さない大規模地震をはじめとする大規模な自然災害、さらには少子化時代における隊員確保など、これまでにないより一層厳しい状況となっている。また、一国のみで我が国の防衛を遂行することが困難な時代にあっては、米軍をはじめ諸外国の軍人との安全保障対話、防衛交流もより重要性を増している。

陸修会ホームページ 設立趣意書
 
陸修会ホームページ 設立趣意書
(画像出典:陸上自衛隊ホームページ )

 
 今後も陸上自衛隊が、このような状況に引き続き的確に対応し、その役割を果たし続けるためには、陸上自衛隊退官者もこれまで以上に、退官者としての役割を果たすべき時代が到来していると考える。 
 一方、現状において、自衛隊の活動を支援する退職者の組織には、自衛隊退職者からなる「公益社団法人隊友会」、海上自衛隊の退官者からなる「公益財団法人水交会」、航空自衛隊の退官者からなる任意団体「つばさ会」があるものの、陸上自衛隊の退官者のみをもって組織する全国的な会は、存在していない。
 
 そもそも、日本でも有数の規模を保持し、かつ我が国の防衛という極めて重要な任務を遂行する陸上自衛隊という組織に退官者組織がないこと自体が不自然であり、加えて、現下の状況を踏まえると、陸上自衛隊の退官者が、組織的に陸上自衛隊を支援すべき時代が到来していると言える。
 この際、統合運用の時代にあって行動中の部隊等への全般的な激励・支援については、「隊友会」を中心として既に行われていることを踏まえた場合、陸上自衛隊の退官者組織として果たすべき役割とは、陸上自衛隊のことをよく知る幹部退官者が一丸となって現職幹部自衛官への協力・支援を行い、もって陸上自衛隊の発展に寄与することと考える。

陸修会 設立総会の様子(森理事長)
 
陸修会 設立総会の様子(吉田陸幕長)

 また、諸外国軍との更なる連携や防衛交流の強化を考えれば、幹部自衛官退官者にあっても、現役軍人と現役自衛官の交流と同じ様に、諸外国の退役将校との交流を深めて現役を支援することは、その必要性を増している。
 さらに、現在迎えている「人生百年時代」にあって、本組織が、会員相互の研鑽の場を提供することにより、幹部退官者が活き活きとした活動を行うことは、現役幹部の目指すべき魅力的な指標になるものと考える。
 
 以上のことを踏まえ、今回、「陸上自衛隊幹部退官者の会」(陸自RO会:Retired Officersの会)を設立するものである。
なお、本会の効率的かつ常続的な運営のため、既に一部の陸上自衛隊幹部退官者が、入会している「公益財団法人偕行社」との合同を目指す。
 
令和4年4月27日  
陸上自衛隊幹部退官者の会 設立総会
 
追記 設立総会において会の名称は「陸修会」と決定された。
 


設立趣意書の補足説明

 

1 設立の基本的な考え方

 現下の我が国、特に陸上自衛隊を取り巻く環境が、より一層厳しくなる中、そして今後ますますその厳しさが高まると予想される中にあって、我々陸上自衛隊幹部退官者は、より一層、陸上自衛隊、特に現役幹部を支援していく必要があると認識します。
 この際、陸上自衛隊幹部退官者には、すでに後期高齢者以上の方々や、再就職したばかりの方々など、その生活環境には大きな違いがあります。
 この様な中にあって、大切なことは、全ての陸上自衛隊幹部退官者が、心を一つにして、後輩である現役幹部自衛官と共にあるとの思いを共有し、それを形として組織を新設することであると思っています。
 このため、本会は、全ての陸上自衛隊幹部退官者を会員とする組織とするも、会員に対して、会費納入などの義務規定を設けず、有志会員の寄附金によって会を運営致します。
 また、本会の設立は、将来的な活動を行うための枠組みづくりとしての性格を有し、今後、案出された具体的な活動に柔軟に対応していくことを念頭においています。
 以上の考え方に基づく、会の骨格は、以下の通りです。
 

2 会の骨格
(1)目的

  本会は、陸上自衛隊、特に幹部自衛官を通じての必要な協力及び支援、陸上自衛隊殉職隊員等の慰霊顕彰等を行うとともに防衛基盤の強化拡充を図るなど、陸上自衛隊の発展に寄与し、併せて会員相互の研鑽及び親睦を図ることを目的とする。
 

(2)事業

  本会は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
ア 陸上自衛隊、特に幹部自衛官を通じての必要な協力及び支援に関すること
イ 陸上防衛力に関する調査・研究と提言に関すること
ウ 陸上自衛隊殉職隊員の慰霊顕彰及び遺族援護の協力に関すること
エ 戦没者の慰霊顕彰に関すること
オ 国内外の関係団体との友好親善、協力に関すること
カ 前各号に掲げる事業に係る刊行物の発行、講演会や研修などに関すること
キ 会員相互の研鑽及び親睦に関すること
ク その他、前条の目的を達成するために必要な事業に関すること
 

(3)会員

  会員の種類は、次のとおりとする。
ア 一般会員 陸上自衛隊を幹部で勤務し円満に退職した者
イ 正会員  一般会員のうち、会への寄附を行った者(総会の議決権有資格者)
ウ 賛助会員 本会の目的に賛同し、理事長により入会を認められた法人又は一般会員(正会員を含む)以外の個人で、寄附を行う者
 

(4)会員資格の喪失

  会員は、次に掲げる事由によりその資格を失う。
ア 本人の申し出による退会
イ 個人の会員にあっては、死亡
ウ 法人たる会員にあっては、解散
エ 除名
 

(5)会の運営

ア 本会の運営経費は、寄附金及びその他の収入をもって賄う。
イ 一般会員からの毎年度の寄附
(ア) 1口1,000円とし、5口を基準とする。
(イ) 正会員は、2年続けて寄附を行わなかった場合、一般会員となる。
 

(6)組織について

ア 活動においては、「陸上自衛隊の全般に関する協力・支援」と「部隊毎に関する協力・支援」とに区分する。
イ 本組織は、先ず「陸上自衛隊の全般に関する協力・支援」を行う組織として立ち上げる。この際、「部隊毎に関する協力・支援」については、会員の発意に基づき、組織内に支部として組織を設立できるようにする。
 
 支部組織について補足します。どの様な方が、その支部組織の立上げの中核となるかについては、隊友会は幹部・陸曹OBが一体となって活動しておりますが、隊友会の幹部OBの方の中には、部隊に対する支援について、幹部OBのみで組織的に支援活動を行いたいとのお考えの方もいらっしゃることと思います。その様な方々を中核として支部組織を立ち上げるとの動きが生ずるものと思っています。
 この際、どの様な活動を行うかについては、その方々の発意によるものですが、白紙的に幅広く検討され、隊友会との切り分けが曖昧になることは、本会設立の趣旨にそぐわないため、会の目的には「陸上自衛隊、特に幹部自衛官を通じての・・」と表現しております。
 また、この幹部自衛官とは、部隊などにおいて、それぞれの役職に基づき任務を遂行している幹部自衛官であり、個人(私人)としての幹部自衛官を意味するものではありません。
 

(7)その他

ア 一般会員の名簿記載は、会員からの承諾を得たもののみを掲載する。
イ 本会と隊友会とは相互補完の関係にあることを踏まえれば、本会員は隊友会会員でもあることが望ましく、陸自RO会と隊友会の活動の特性をよく理解して活動する必要がある。
ウ 新規対象者に対しては、退官時における寄附の基準額を定めるものとする。(基準額による寄附の開始時期は別示)
 

3 今後の予定
公益財団法人偕行社との合同

 偕行社は、本会と基本的な考え方において認識を共有する点が多いことや、本会を効率的かつ常続的に運営する観点から、本会の設立以降、偕行社から求めがあった場合には、偕行社との合同について協議する。
 


陸修会の設立に当たって(理事長談話)

 

1 趣旨

 令和4年春より「設立準備委員会」は、本会の設立に向け対面での会議を重ねるとともに各委員とのメールでの意見交換を行い、会の方向性について具体化を図ってきた。この議論の中で、今後、本会が「陸上自衛隊の発展に寄与する」ための活動を続けるにおいて、引き続き基本的な認識として共有しておくべき事項が合意された。今般、設立総会において本共有すべき事項が了承されたことから、本談話を初代理事長の談話と位置付けるものである。
 

2 会の運営の基本理念
(1)幹部退官者全員に開かれた会

 本会は、陸上自衛隊を取り巻く環境が、今後もより一層厳しい状況になると考えられる現状において、大切なことは、全ての陸上自衛隊幹部退官者が、心を一つにして、後輩である現役幹部自衛官と共にあるとの思いを共有し、それを形として組織を新設することにあると考えたものである。
このため、陸修会は、特定の限られた人たちだけでなく、可能な限り広く幹部退官者全員に開放された組織をめざすものである。
 

(2)全会員に魅力ある会

 本会が、今後、充実・発展し、陸上自衛隊幹部自衛官にとって「頼りがいのある組織」との評価を得るように成るためには、本会において活動する一人ひとりにとって、本会は魅力ある会でなければならない。  
そのためには、本会は、会員相互の融和団結を図り、「人生百年時代」の第2ステージを意義あるものとして活動できる、そのような会でなければならい。
 

(3)現役に役立つ会

 本会は、陸上自衛隊を支援・協力する組織であるが、支援とは、被支援組織との強い信頼関係と緊密な情報共有が求められる。しかしながらその緊密な情報共有を求める行為などは、程度によっては被支援組織に負担になることもある。
 本会は、常時、現役と共にあるとの気概を持ちつつも、常に現役との適度な間合いを保持しながら、現役からの求めに、適切に対応できる会を目指すものである。
 このため、常に現役に役に立っているかと省みながら、隊友会などの友好団体と協力して陸上自衛隊の活動への支援の輪を広げる活動を行うことが大切である。
 

3 最後に

 自衛隊は、他国の軍隊などと違い、退官後は一社会人であり、一部の予備自衛官を除き、自衛隊との公的なつながりは全くない。
 陸修会の活動においては、この様な軍事的には特殊な関係にある自衛官退官者と現役自衛官との関係を踏まえたうえで、陸上自衛隊を支える組織としての役割を果たすことが求められている。
 
令和4年4月27日
陸修会 理事長  森 勉

陸修会ホームページ 理事長談話

 


正会員の受付

 

1 一般会員と正会員

一般会員:陸上自衛隊を幹部で勤務し円満に退職した者
一般会員は、1口千円として、毎年5口を基準とした寄付を行うことができます。
正会員 :一般会員のうち、陸修会への寄付を行った者
正会員には総会の議決権を付与します。この際、2年続けて寄付を行わなかった場合、一般会員の扱いになります。
なお、会員には賛助会員もありますが、その受付開始は別途ご連絡致します。
 

2 正会員の新規受付

一般会員で、初回の寄付を行っていただける方は、下記の流れに沿って手続きをお願いします。
① 陸修会事務局にメールまたは郵送で「寄付の申出」を行ってください。
② 「寄付の申出」には、
「氏名(ふりがな)、生年月日、現住所、電話番号、電子メールアドレス等」を記載ください。
③ 事務局で申出内容について確認を行います。この際、陸上幕僚監部に照会することがあります。
④ 記載いただいた現住所宛に振込用紙を事務局から郵送致しますので、寄付金の振込みをお願いします。
⑤ 寄付金の入金を確認後、申し出をいただいた一般会員の方に「寄付金を受領し、正会員として名簿に登録した」旨をメールまたは郵送で連絡致します。
 

3 「寄付の申出」先:陸修会事務局

 

・メールアドレス:

rikushukaiinfo[アットマーク]wine.ocn.ne.jp
([アットマーク]表示は、迷惑メール対策です。@に置き換えてください。また、「お問い合わせ」リンクにて、陸修会事務局宛のメールソフトが起動しますのでご利用ください。)
 

・郵送先:

〒160-0002
東京都新宿区四谷坂町12-22 VORT(ボルト)四谷坂町5階
偕行社事務局内 陸修会事務局
 

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